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中高年社員は、本当に「会社のお荷物」なのか?

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日経BP社が発行するビジネス雑誌「日経トップリーダー」の2017年6月号では、「おじさん再起動!中高年を戦力化せよ」という巻頭特集を組み、「人手が足りないのに、若手ばかり忙しく、中高年は働かないと決めつけるのは早計だ。」として、中高年社員の「やる気」を低下させる原因やその解決のための施策等について、詳しく言及しています。

■日経トップリーダー6月号特集「おじさん再起動!中高年を戦力化せよ」の概要
その特集によると、現在多くの企業では、「人手不足」が成長のためのボトルネックになっており、その解消が大きな経営課題となっている中で、多くの企業には、未だに「働かない・働こうとしない中高年社員」が相当数存在し、彼らの存在が組織の活性化を妨げる一因にもなってしまっているようです。

また特集では、中高年社員の仕事へのモチベーションが低下する要因として、「役職定年や昇進レースに敗れたことにより、昇給・昇格が望めない。」「健康問題や体力の低下、『知的体力』の低下」などを挙げています。そして、その解決のためには、「中高年の承認欲求」に働きかけることが大切であり、加えて「資格取得等の目標を設定」「かける言葉を変えてみる。」「これまでの経験を聞く。」「手紙で感謝を伝える。」の4つの具体的な施策の実行を提唱しています。

筆者も記事の内容は概ねその通りであり、「4つの具体的な施策」を職場で継続的に実践することにより、中高年社員のモチベーションがアップする可能性は高いとは思いますが、個人的には、もう少し抜本的な解決策にまで踏み込む必要があるのではないか、と考えています。

■「仕事が好きな人」の減少
今年の5月に、ブランドコンサルティングを手掛ける株式会社リスキーブランド(本社:東京都渋谷区、代表:田崎和照)が発表した「日本人の仕事意識調査」によると、「仕事が好きな人の割合」は2008年当時と比較して約10年間で減少しており、特に「50歳以上の男性」の「仕事が好きな人の割合」が、著しく減少しているようです。

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出典:「(株)リスキーブランド/マインドボイス調査」

「仕事が好き」と回答した50歳以上の男性社員の割合が減少した理由として、リーマンショック後の約10年間、企業はリストラを推進しましたが、そのターゲットとなったのが、主に中高年社員であったことや、管理職のポストの減少・管理職以上の年俸制導入等により、今後昇進や昇給が望めなくなったこと、IT化やグローバル化が急速に進み、中高年社員が持つスキルや経験が必ずしも活かせなくなったことなどが影響しているものと考えられます。

また以下のグラフは、「仕事が好き」と答えた社員と「仕事が嫌い」と答えた社員の企業風土を対比したものです。

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出典:「(株)リスキーブランド/マインドボイス調査」

上記のグラフによると、「自主性を尊重し、自由闊達な社風の企業」で働く人のほうが、「上司には逆らえない官僚的な社風の企業」で働く人よりも、「仕事が好きな人」の割合が総じて高い傾向が見られます。よって、「中高年の戦力化」を本当に実現するために、経営者は、「日経トップリーダー」が提唱する「職場における4つの具体策」の実践だけに留まらず、「自主性を尊重する自由闊達な社風」をどのようにして構築していくかについても、併せて検討する必要がありそうです。

■中高年社員の自己啓発
一方で、グローバル化やIT化が急速に進む職場環境の中で、中高年社員が今後戦力として会社に貢献していくためには、中高年社員自身も、仕事に対する意識を変えていく必要があります。筆者はこれまでコンサルティングや研修等を通じて、中高年社員の能力開発にもかかわってきましたが、その経験から言えることは、中高年社員の場合は、過去に成功した手法や成功体験に固執してしまい、新たな手法やスキルを積極的に吸収しようとしない人の割合が総じて高く、それが「中高年社員は使えない。」という評価に繋がってしまっている可能性がある、ということです。

また筆者自身が中高年社員と同世代のため日頃実感することですが、シニアと言われる年代になると、若い頃以上に意識して、新たな知識や情報を積極的に吸収することをしていかないと、社会の変化についていけなくなってしまいます。 勿論、目新しいことばかりを追いかける必要はないとしても、中高年社員は常に社会の変化等に関心を持ち、新たな知識や情報を吸収していこうという意識を持っていないと、環境変化に適応できず、職場で「お荷物社員」扱いされてしまうリスクが高い時代になっていると感じます。

前述のように、企業が働きやすい職場環境や社風を構築するなどの努力を行うこと自体は正しいことではありますが、一方で、中高年社員自らも「変わる努力」をしていかないと、社会の変化に対応できず、その結果仕事が嫌になり、会社に来ても面白くない、といった「負のスパイラル」に陥ってしまうリスクが高くなると予想されます。

■中高年社員に求められる当事者意識と自己啓発
中高年社員が、新たな知識や情報を吸収するためには、会社の中だけに留まらず、積極的に社外のセミナーや勉強会、異業種交流会等に参加し、社外の人との交流を深めることが効果的です。中高年であっても、様々な領域でエネルギッシュに活動している人は沢山います。そのような社外の人と積極的に交流することにより、「パッション」や「エネルギー」を吸収するのみならず、自分自身の知識やスキルに関するレベルについても、客観的に知ることができるからです。

一方で、中高年社員の中には「今後昇進も昇給も望めないのに、仕事のために努力をするなどばかばかしい。」とか、「仕事は必要最低限のことだけをやって、後は趣味などに取り組んだ方が良い。」といった考え方をもつ人が相当数いることも事実です。よって未曾有の人手不足の中で、そのような人の戦力化が、今後企業が成長を実現する上で、避けて通れない課題になることは間違いないと思います。

彼らの意識を変えるためには、企業が、「自由闊達な社風の構築」などに取り組むことと併せて、中高年社員自身にも「当事者意識」を持たせ、彼らの意識変容と自己啓発を促すための働きかけを行っていく必要が生じるでしょう。

早晩定年も70歳に伸びる可能性が高く、益々「中高年社員」の比率は高くなっていくと予想されます。よって企業が中高年社員を戦力化するために、彼らが活躍しやすい企業風土の構築や制度の見直しを進めることも大切ですが、一方で中高年社員自身にも、環境変化に対応していくための「自己啓発」が求められる時代を迎えた、と思います。
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テーマ : 経営コンサルタント
ジャンル : ビジネス

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プロフィール

川崎 隆夫

Author:川崎 隆夫
株式会社デュアルイノベーション代表取締役。 経営士/経営支援アドバイザー。経営学修士(MBA)。専門は新規事業開発、マーケティング戦略立案、リーダー人材育成など。 また最近は、教育機関・経営支援団体等でのセミナー、講演やメディア出演等にも積極的に取り組んでいます。
【メディア出演実績】 
日本テレビ系列「情報ライブ・ミヤネ屋」、テレビ東京「ニュース」、NHK-BS1,日経産業新聞、東京新聞、週刊SPAほか多数 

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